ショコラとおじさん、そしてねこ。

ショコラが帰ってくる時、定休日以外毎日寄り道する場所がありました。
整骨院の看板猫ちゃん。
おじさん一人でお店やってて、会計テーブルの上に寝ていたり、患者さん荷物用のカゴに入り込んでいたりするしましま猫ちゃん。

信号待ちの交差点だったので、青ならバニラも待ってるし、1分でも早く行きたいのだけど、ここは戻ってでも止まらないと行けないのがお約束になってました。

しだいに、おじさんとも打ち解け施行中に手を振ってくれたり、猫ちゃんもショコラの顔を見て寄ってくれるようになったのだけど‥
いつも窓越しで名前がわからない。

「いつか会いにいこうね」って約束していたのに。

それなのに。

”療養のためしばらく休業します”と貼り紙がされたのが7月の終わりくらい。
その後、ずっとシャッターが閉められていて、おじさんにも猫ちゃんにも会えなくなりました。

そして、8月下旬。
時々、少しだけシャッターが開いた時期があったけど、明らかに再開するような雰囲気ではなく‥
猫ちゃんだけが寄って来てくれてました。
おじさんにもお見舞いの手紙を送っては見たけど‥返事はないまま。

後にお店の看板は降ろされました。
そして、お店の前には”ご自由にお持ち下さい”と家具や植木やお掃除グッズなどなど。
私はすぐに察することが出来たけれど、ショコラはまだ「死」というものが理解出来なくて。
いつかまた再開するものだとずっとずっと信じてます。

「早く良くならないかなぁ。猫ちゃんにはいつ会えるのかなぁ」と言って。

「持っていっていいらしいよ」と話すと、赤くてきれいな鉢植えを選んで持ち帰ってきました。
おじさんと猫ちゃんの思い出の品。

毎日ショコラが水やりしています。
おじさんの分も猫ちゃんの分も。